マグネシウム合金メッキ|カワジュンインダストリー

マグネシウム合金へのメッキ
メッキは全体でも部分でも可能です。
弊社では世界で初めてマグネシウム合金への部分メッキの開発にも成功し、特許を申請しました。実用金属としては最も軽く、強度・剛性に優れているマグネシウム合金。また、リサイクル性も高く環境負荷が小さいことから近年、自動車、ノートパソコン、携帯電話、カメラの筐体、電子機器部品、杖、車椅子等の福祉用品など、軽量化・対振動吸収性を目的として、その用途は広がっています。
従来その表面処理は、化成処理後の塗装がほとんどで、マグネシウム合金へのメッキは難しいとされていました。カワジュンインダストリーでは、マグネシウム合金へのメッキを可能にするだけでなく、マグネシウム合金への部分メッキに成功しました。マグネシウム合金への部分メッキにより、マグネシウム基盤、マグネシウム電極等ての応用も期待されています。
カワジュンインダストリーでは、ふくれの無いメッキ、密着性の高いメッキ皮膜を実現しました。
マグネシウム合金へのメッキプロセス及び各工程での処理液、処理条件等はすべて当社オリジナルになります。
1. 溶剤洗浄〜アルカリ脱脂・・・油分の除去
2. エッチング・・・酸化皮膜、偏析層の除去
3. 不動態化処理・・・不動態膜の生成
4. 活性化1・・・活性化
前処理後のメッキ方法は以下の2種類となります。
1. 活性化2・・・無電解Ni用
2. 無電解Ni・・・アルカリ性無電解Ni
3. 他のめっき・・・電気Ni、金、クロム等
1. 亜鉛置換・・・亜鉛膜の生成
2. 銅ストライク・・・シアン化銅ストライク
3. 青化銅・・・青化銅めっき
4. 電気Ni・・・アルカリ性Ni浴
5. 他のめっき・・・金、クロム等
前処理(ほとんどのマグネシウム合金に適用)
写真1 ダイレクト無電解Ni
素材の結晶粒界そのままに無電界Niが成長している

① ダイレクト無電解Ni法
② 亜鉛置換法
写真2 亜鉛置換法
青化銅めっきが現在のめっきプロセスで最も安定している

マグネシウム合金へのメッキ(全体)について

マグネシウムへのメッキ実験プロセス
マグネシウム合金へのメッキ(部分)について

マグネシウム合金への部分メッキは、その使用用途の可能性を大きく拡げます。
PAT.P
当社ではマグネシウム合金への全体的なメッキだけではなく、部分的にメッキを施す技術を開発しました。
湿式メッキプロセスの中でも難関とされるマグネシウム合金は、種類も多く存在します。AZ31、AZ61、AZ91やLi、Zr、Ca含有素材などがあり、それらすべてに対応したプロセスがありませんでした。マグネシウム合金への全体メッキのプロセスを構築し、かつ世界で初めての”部分メッキ”へ挑戦し、自家浴にてオリジナルプロセスを構築することに成功しました。
6価クロムのみならずRoSH規制物質(Pb、Hg、Cd、その他)は一切使用しておりません。自家浴だからこそ自社での原因追求、再発防止への対応スピードが可能です。最終工程として密着性を高める為、メッキ後に200℃×30分のアニール処理を行います。
※当社試験では400℃×30分の熱処理でもふくれ等の問題はありませんでした。
部分的なメッキ方法が可能な場合、以下のような用途に対応することができます。
・電気抵抗を下げるために部分銅めっき、Niメッキ、金メッキができる。
・半田付けやリフローのための部分銅メッキ等
耐食性という意味ではマグネシウム合金自体が露出しているため、ある条件下(高温多湿や野外、酸性雰囲気等)ではガルバニック腐食が起こる可能性があります。